「Century books 人と思想」シリーズの本 既刊本リスト (清水書院) その9
大人の教養 / リベラルアーツ。
既刊本一覧 目次
I | 1-10 | 11-20 | 21-30 | 31-40 | 41-50 |
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II | 51-60 | 61-70 | 71-80 | 81-90 | 91-100 |
III | 101-110 | 111-120 | 121-130 | 131-140 | 141-150 |
IV | 151-160 | 161-170 | 171-180 | 181-190 | 191-200 |
「人と思想」 既刊本一覧 No.81〜90
81 | シェイクスピア | シェイクスピア (Century Books―人と思想) 福田陸太郎 菊川倫子 清水書院 2016-01 売り上げランキング : 1321071 |
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82 | ドストエフスキイ | ドストエフスキイ (Century Books―人と思想) 井桁貞義 清水書院 2014-08 売り上げランキング : 1250796 |
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83 | エピクロスとストア | エピクロスとストア (Century Books―人と思想) 堀田彰 清水書院 2014-08 売り上げランキング : 911537 |
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84 | アダム・スミス | アダム=スミス (Century Books―人と思想) 浜林正夫 鈴木亮 清水書院 2014-08 売り上げランキング : 444984 |
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85 | ポパー | ポパー (Century Books―人と思想) 川村 仁也 清水書院 1990-04 売り上げランキング : 772597 |
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86 | フンボルト | フンボルト (Century Books―人と思想) 西村貞二 清水書院 1990-04 売り上げランキング : 848309 |
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87 | 白楽天 | 白楽天 (Century Books―人と思想) 花房英樹 清水書院 2016-05 売り上げランキング : |
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88 | ベンヤミン | ベンヤミン (Century Books―人と思想) 村上隆夫 清水書院 2014-08 売り上げランキング : 765609 |
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89 | ヘッセ | ヘッセ (Century Books―人と思想) 井手賁夫 清水書院 1990-12 売り上げランキング : 1100955 |
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90 | フィヒテ | フィヒテ (Century Books―人と思想) 福吉勝男 清水書院 1990-07 売り上げランキング : 340516 |
《内容》
81 | シェイクスピア (wikipedia:ウィリアム・シェイクスピア) 〈百千[ヒャクセン]の心をもったシェイクスピア〉と呼ばれるほど、シェイクスピアの劇には多種多様な人物が描き出される。『お気に召すまま』の中の有名なせりふ――「全世界は一つの舞台だ。そしてすべての男や女は役者にすぎない。めいめい出があり、引っ込みがある」のように、人はそれぞれの人生で自分に割り当てられた役柄をこなして退場していく。このように円熟した人生観を語り得るシェイクスピアとは、いったいどんな時代に生き、どんな仕事をした人なのか。彼自身について残されたわずかばかりの資料と、彼が書いた多くの作品群をもとに、イギリスのエリザベス朝のこの偉大な劇作家の全体像を考えてみることは、きわめて興味あることだろう。何しろ、この400年の間、彼はいつも、その時々の人びとに同時代人のような親近感をもって受け入れられてきたのであるから。 (表カバー) |
82 | ドストエフスキイ (wikipedia:フョードル・ドストエフスキー) 島崎藤村の『破戒』以来、日本の近代文学と思惟とに巨大な影を投げかけて来たドストエフスキイ。日本ばかりでなく、特に両大戦間からのヨーロッパに、また1960年頃からのソ連に、ドストエフスキイ熱は高まり、各地でシンポジウムなども相次ぎ、現在にいたるまで広範囲の読者を獲得している。それはなぜだろう。社会主義革命、ニヒリズム、宗教復興など、19世紀以後の世界の思潮を貫く大きなテーマのほとんど全てに反応した作家であるためか、これまでドストエフスキイの文学は抽象的、観念的に受け取られることが多かった。本書ではこの作家の創作活動を、ロシアとヨーロッパの文学史、思想の流れの中に置き直して、作品の成立の事情を具体的に明らかにしようと努めた。さらに作品の内部世界に分け入ることにより、この作家の〈思想像〉を取り出し、現代の私たちにとっての意味を考えようとしている。 (表カバー) |
83 | エピクロスとストア (wikipedia:エピクロス・wikipedia:ストア派) 原子論と連続論とは、それぞれエピクロスとストアの自然学の根拠であった。しかし、アレクサンドロスの死亡にはじまるヘレニズム時代にあっては、彼らの主要関心は倫理学に向けられていた。エピクロスは、「かくれて生きる」ことを柱に、身体の無苦と精神の平静を説いた。ストアは、大自然の演出するドラマを理解し、それに参画して生きることを柱に、脱感情を説いた。この倫理的関心の方向の相違はそのまま知識論、とくに感情論の相違につながった。エピクロスは感情を心理標識としたのに対し、ストアは感情を病める理性として退けた。たしかに、彼らの哲学を樹立したことは大いに評価されてよい。その故にまた、後世にその影響を残したのである。 (表カバー) |
84 | アダム・スミス (wikipedia:アダム・スミス) “経済学の危機”がいわれだした1970年代から、世界中でスミス研究がさかんに行われるようになった。生産の能率をあげることを中心課題にすえてきた現代の経済学が、なんのための豊かさか、という人間の問題を洞察することを怠ってきたことに、人びとが気づいたためであろう。人間と社会についての深い洞察にもどづいて経済学を生み出したスミスは、経済学のあり方を考えるばあいの原点となるのである。それだけではない。特権と独占をきびしく批判してやまなかったスミスの思想と学問の根底には、抑圧からの人間の解放と民衆の自立的な人間への成長の願いがこめられていたのであり、そうしたスミスの思索は、現代の民主主義と自由の問題を考えるばあいにも、豊かな示唆を与えてくれるであろう。 (表カバー) |
85 | ポパー (wikipedia:カール・ポパー) 1901年生まれの長命なユダヤ系哲学者カール・ポパーは、「現代哲学者叢書」にもとりあげられ、ゾニング賞・カタルーニャ国際賞受賞に輝く、現代ヨーロッパ文明のすぐれた貢献者である。生誕80年、85年を記念して二つの記念論文集が出版され、またポパー自身の草稿も次々と公刊され、ようやくその全体像が明らかになってきた。物理学・生物学・論理学などの各領域をふまえての視野の広さに現代哲学の健全さの一端をうかがいうるであろう。激動する現代ヨーロッパを現象的にみるだけでなく、思想の根底からとらえなおさねばならない。そうした意味でポパーを素材として多くのひとが、さまざまな視点から考えていくことは緊急な現代の課題であろう。 (表カバー) |
86 | フンボルト (wikipedia:アレクサンダー・フォン・フンボルト) フンボルト(1767〜1835)は若くしてゲーテ、シラーと肩を並べる古典主義者となったが、ロマン主義の到来をも予見した。自由主義的政治思想をもって国民主義を促した。歴史思想では「史学のベーコン」と称された。ナポレオンに敗北したあとプロイセン改革の一環としてベルリン大学を創立し、近代的大学の理念を基礎づけた。晩年には言語学=言語哲学において前人未踏の魯雨域を開拓した。逝きて150年。ドイツやヨーロッパの政治・社会・文化はこのあいだに大変動をとげた。だが、そうした変動をこえて、この偉大な普遍的精神は屹然と立っている。 (表カバー) |
87 | 白楽天 (wikipedia:白居易) 白楽天の詩歌は、制作からさほど隔たらぬ時期に、異民族の間まで読み歌われたのは、ただに大沙漠の地のみではなかった。やがては大沙漠から遠く東南のかた「日南」即ちベトナム、さらには京都長安の東北なる東海の彼方にあった「雞林」即ち新羅、はては大海の中なる「倭[ワ]」と名ざされ「日本」とも自称する国など、「文字有る国」換言すれば漢字文化圏を覆って、白氏の歌声は響きわたっていたのである。かくて白氏の文学的知己を自認していた元稹[ゲンシン]をして、「篇章自[ヨ]り以来、未だ是[カク]の如く流伝の広き者は有らず。」と感嘆せしめていた。このことは文学の享受が目見張るばかりに拡大していたことを意味する。それまで享受は多く創作を担う階層、あるいはそれらを遶[メグ]る人びとの間に止まる傾向があった。その壁を突き破って、途方もなく大きな同心円を描く享受層を白氏は成立させたのである。 (表カバー) |
88 | ベンヤミン (wikipedia:ヴァルター・ベンヤミン) ベンヤミン退廃的[デカダント]な思想家であった。19世紀末のベルリンに生まれたユダヤ系ドイツ人であった彼は、ドイツ市民[ブルジョワ]階級の文化が没落し、ドイツ人とユダヤ人との共生関係が破局を迎えるのを目撃した。伝統的な社会秩序がこのように崩壊していくなかから、ベンヤミンは自らの思想をつくり上げた。おびただしく降り積もっていく歴史の残骸を拾い集めたベンヤミンは、その破片のうちにかつての黄金時間の面影を求め、また未来のユートピアの姿を垣間見ようとした。暗く絶望的な世界のうちに、まばゆく光り輝く楽園[エデン]の光景を一瞬の間浮かび上がらせること、これがベンヤミンの批評の方法であった。2つの世界大戦を経験した20世紀ヨーロッパの歴史のうちに、彼の思想は悲しく美しい光芒を放ち続けている。 (表カバー) |
89 | ヘッセ (wikipedia:ヘルマン・ヘッセ) ヘルマン=ヘッセは浪漫的抒情的作家として知られているが、第一次大戦に際しては、公然と戦争反対の新聞声明を出して後、ドイツ国内から売国奴と罵られ、家庭も崩壊する一方、戦争の悲惨さと残酷さを身に沁みて感じて、深い内省の中で、ヨーロッパ文化の衰退を予感した。その救いを東洋の英知に求め、名作『シッダルタ』を書き、一方第二次世界大戦を予感して、『荒野の娘』を書く。ついで『ナルチスとゴルムント』に両性と二元の統一を求め、理想的教育州の大作『ガラス玉遊戯』を書いて、20世紀最高の作家と称えられ、西欧の賢人として人々の尊敬を集める。そしてノーベル賞を授与され、晩年の著作によって広く世界の視聴を集めた。世界の思想的危機に際しては、人々は度々ヘッセに立ち返り、一種のヘッセ・ブームを引き起こしてきたのである。 (表カバー) |
90 | フィヒテ (wikipedia:ヨハン・ゴットリープ・フィヒテ) 「自由と分別をもって人類が発展していく転換期に目下、直面しております。この新しい時代を他の国民の先駆となり模範となって切り拓いていくという使命は、誰よりもまずドイツ人に課せられるべきであります。」これはJ. G. フィヒテ(1762〜1814)が1808年に、ナポレオン占領下のベルリンで、ドイツの解放と統一を企図し、その歴史的意義について行った講演「ドイツ国民に告ぐの中で述べた言葉である。その後180年余り、紆余曲折の近現代史を経て、1989年11月10にはついに、フィヒテの故地ベルリンにある「壁」――ドイツを分断し、東西冷戦の象徴となってきた――が崩壊した。東西ドイツの統一をはじめ、激動する現代ヨーロッパを歴史と思想の根底からとらえなおす上でフィヒテは不可欠の思想家であろう。 (表カバー) |