「Century books 人と思想」シリーズの本 既刊本リスト (清水書院) その2

大人の教養 / リベラルアーツ

「人と思想」 既刊本一覧 No.11〜20

11 デカルト 4389420119
デカルト (Century Books―人と思想)
伊藤勝彦

清水書院 2014-09
売り上げランキング : 423767

12 パスカル 4389410121
パスカル (センチュリーブックス 人と思想 12)
小松摂郎

清水書院 2000
売り上げランキング : 1024078

13 ロック 438941013X
ロック (センチュリーブックス 人と思想 13)
田中浩 浜林正夫 平井俊彦 鎌井敏和

清水書院 2000
売り上げランキング : 129828

14 ルソー 4389410148
ルソー (センチュリーブックス 人と思想 14)
中里良二

清水書院 2000
売り上げランキング : 200936

15 カント 4389410156
カント (Century books―人と思想)
小牧治

清水書院 2000
売り上げランキング : 224784

16 ベンサム 438942016X
ベンサム (Century Books―人と思想)
山田英世

清水書院 2014-09
売り上げランキング : 815923

17 ヘーゲル 4389410172
ヘーゲル (センチュリーブックス 人と思想 17)
沢田 章

清水書院 1970
売り上げランキング : 606972

18 J.S.ミル 4389410180
J.S.ミル (センチュリーブックス 人と思想 18)
菊川忠夫

清水書院 2000
売り上げランキング : 329357

19 キルケゴール 4389420194
キルケゴール (Century Books―人と思想)
工藤綏夫

清水書院 2014-09
売り上げランキング : 117652

20 マルクス 4389410202
マルクス (センチュリーブックス 人と思想 20)
小牧治

清水書院 2000
売り上げランキング : 123352

《内容》

11 デカルト (wikipedia:ルネ・デカルト

レンブラントの絵に、「開いた本の前の哲学者 というのがある。この絵を見るたびに、なぜかデカルトのことを想いうかべずにおれない。デカルトは1650年、53歳で亡くなったのだから、こんな老人だったことはない。しかし、かれの生きた時代は、中世的なコスモスが破壊され、宇宙が混沌とした闇の中に深く沈んでいった時代であった。その闇の中へ、かれは光を生起せしめようとする。もちろん、恩寵の光ではなく、自然の光をである。自然の光によって闇の中につつまれていた宇宙をくまなく照らしだし、その構造的連関を明らかにしようとした。ルネサンス的混沌の中に沈んでいた宇宙の中に法則的秩序を発見し、スコラ自然学にかわる新しい世界像を生みだそうとしたのである。つまり、カオスからコスモスへの道をふたたび歩みゆこうとしたのである。 (表カバー)
12 パスカル (wikipedia:ブレーズ・パスカル

ブレーズ・パスカルはフランスの天才的な、ユニークな思想家である。法服貴族の子に生まれ手ずから父の教育を受けた。少年時代は主として数学を勉強し、またジャンセニスムの宗教に接した。1647年パリに出て、社交界に入った。1654年恩寵を体験し、決定的に回心した。当時、ジャンセニストとジェズイットとの争いが激化していたが、パスカルはジャンセニストの陣営に加わり、匿名で「プロヴァンシアル」を出し、ジェズイットを攻撃した。その後『キリスト教弁証論』の執筆にかかったが、死によって中断された。この未完のノートが『パンセ』と呼ばれるものである。パスカルは一生、病苦にさいなまれ、また思想的にも悩んだ。パスカルの「生涯と思想」が、じかにわれわれに訴えるのもこの点である。 (表カバー)
13 ロック (wikipedia:ジョン・ロック

偉大な時代は、偉大な思想家を生む。ロックは、17世紀に最初に近代を切り開いたイギリス市民革命の子であった。かれの思想の基本的性格は、人間の自由と権利をなによりも尊重し、そのために、人間の自由と権利に圧力を加えるさまざまな権力をどのように制限し、人間の自立性を保持していくか、というものであった。ロックにおける人間の自由と権力の問題は、ベンサム、ミル、ラスキと受けつがれ、かれの経験論哲学は18世紀の啓蒙哲学に巨大な影響を与え、それは、アメリカの「独立宣言」、フランスの「人権宣言」に具体化された。またその宗教的寛容論は、19世紀のプリーストリやミルによって、近代市民の権利としての「宗教の自由」の観念にまで昇華された。「世界人権宣言」は、20世紀におけるロック主義の輝かしい勝利の産物といえよう。 (表カバー)
14 ルソー (wikipedia:ジャン=ジャック・ルソー

今日にもっとも大きな影響w与えた18世紀の思想家の一人であるルソーは、貧しい家庭に生まれ、徒弟から作家にいたるまで数多くの職業を転々とし、h蘭万丈の放浪生活を送った。かれは「子どもの福音書」といわれた『エミール』を書いたが、生まれたわが子は次々にすてた。ルソーは人間の幸福を自然状態に求め、人間が社会の中で自由と平等を実現して幸福となるためには、社会は如何にあらねばならないかを追求した。正規の教育はほとんど受けず、自ら学んでいったかれは、非常に激しい感情と鋭い直観の持ち主であり、理論の人ではなかった。その思想には、それ故に、しばしば矛盾がみられるとしても、ルソーが提起した問題は時代を超えて、われわれの問題となっている。ここにルソーが現代に生きている所以がある。 (表カバー)
15 カント (wikipedia:イマヌエル・カント

学者であるカントは、学者だけが人間としてえらいのだと、うぬぼれていた。そして、無知の民衆を軽べつしていた。ところが、ルソーの書を読むにおよんで、目のくらんだうぬぼれを、根本からへしおられてしまった。カントは、すべての人間を尊敬することを、教えられた。すべてのひとの人格を尊重しないような人間は、どんな人間よりも劣った、恥ずべき人間であることを悟らされた。カントは、ルソーの書に、わけても『エミール』に読みふけった。その美しい文章や内容にみせられた。そして、時計ほどに規則正しい日々の散歩をさえ、おろそかにした。こうして、かれは、かれの哲学のカナメ(要)ともいうべき道徳論を、つくりあげていくのである。殺風景な、かれの書斎を飾った唯一のものが、ルソーの肖像であったということである。 (表カバー)
16 ベンサム (wikipedia:ジェレミ・ベンサム

ベンサムは幼い頃、祖母の家の倉から昔の剣をもちだし、野ネズミを追いまわして遊んだ。この野ネズミたちはかれにとっては心の友でもあった。かれはそのほかにほとんど遊び仲間をもたなかったからである。かれが生きとし生けるものを愛し、その虐待をいましめ、動物愛護の立法を提唱したのは、幼い頃からの動物たちへのおもいやりの心に根ざしたのである。ベンサムはまた植物を愛した。とくにイギリス西南部の森や野原の風物を好み、よく旅をし、フォードの僧院を別荘にもした。庭園はかれの趣味であった。植物を愛することによって、かれは自然の秘密にふれる喜びを味わうことができた。一見無味乾燥にみえる功利思想の背景にも、あたたかき生命ある風土があったのである。 (表カバー)
17 ヘーゲル (wikipedia:ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲル

ヘーゲルは、産業革命フランス革命、ナポレオンの出現とその没落など、世界史が大きく転換する時代のドイツに生をうけた。いつの世でもそうであるが、歴史的な大きな転換は、けっしてバラ色の道をとおってたんたんと進むものではない。したがって先進国・後進国を問わず、それぞれの国は、新しいものと古いもの、理想と現実、自由主義と反動主義などの対立や矛盾をかかえていた。眼前に展開しつつあるこのような「現実」を、ヘーゲルは、新時代の精神である「理性と自由」の実現されていく過程として、歴史的にすじ道だてて、根本から深く正しくとらえることに専心した。 (表カバー)
18 J.S.ミル (wikipedia:ジョン・スチュアート・ミル

J.S.ミルの父親は最もきびしい意味での「教育パパ」であった。かれはミルが誕生するとまもなく、その特異な「天才教育」を開始した。それは、すでに3歳の頃からギリシア語の古典をたたきこむという苛酷なものだった。このきびしい訓練を耐えぬいたミルは、歴史上の人物の中で、知能指数最高(180)と目されるが、反面「人造人間」となってしまって、青年時代には一種のノイローゼになやまされる。これをなかば克服しかけたとき、かれの眼前に彗星のように現れたのがテイラー夫人であった。ミルはあらゆる社会的非難にもめげず、この美しい人妻を20余年間敬愛しつづけ、結局はゴールインできた。二人はその後も精神的に高め合って、それぞれに円熟した境地に到達する。こうして、精一杯良心的に生きようとした19世紀の偉大な頭脳――哲学者・社会改良家――の生涯と思想は興味ある問題を投げかけている。 (表カバー)
19 キルケゴール (wikipedia:セーレン・キェルケゴール

敬虔な一商人の子として北欧の小国デンマークに生まれたキルケゴールは、動乱の時代であった1840年代に、現代人の運命を予見する独創的な著作をやつぎばやに発表して、小市民的な考え方や大衆社会状況を弾劾した。父親ゆずりの憂愁をたたえ、現代を支配する絶望の気分を鋭く摘発していくかれの文体の奥は、世俗の安定をしりぞけて、人生の無限の可能性に賭けようとする北欧バイキングの冒険心と、恋愛の甘美な密も、華麗な地上の名声も投げすてて真実につこうとするハムレットの勇気とが、こめられている。世間の嘲笑のうちに淋しく逝ったこの孤独な単独者は、今や、現代実存思想の開祖とあがめられて、コペンハーゲンの王立図書館の中庭から全世界の思想界に君臨する、一方の雄となっている。 (表カバー)
20 マルクス (wikipedia:カール・マルクス

この本の主人公マルクスが生まれたのは1818年で、かれの主著『資本論』が世にでたのは、120年ほどまえのこと。ところが、こんにちの世界の3分の1が、すでにマルクス主義による社会体制をとっている。そうでない国や民族も、大なり小なりマルクス主義の影響をうけているし、うけないわけにはいかない。世界史のうえで、かつてこんな思想があったろうか。史上まれな思想家であり、実践家であったマルクスの日常は、勉強と活動にあけくれた。貧乏・迫害・中傷・追放、そして晩年には病苦がかれにつきまとった。こういう、まさに生涯の苦闘のなかにあって、たえずマルクスを助け、励まし、かれに忠告や助言や影響をあたえたのは、よき妻イェニーと、よき友エンゲルスであった。マルクスの思想は、より正しくは、マルクス・エンゲルス主義と称されなくてはなるまい。 (表カバー)