「Century books 人と思想」シリーズの本 既刊本リスト (清水書院) その3

大人の教養 / リベラルアーツ

「人と思想」 既刊本一覧 No.21〜30

21 福沢諭吉 4389410210
福沢諭吉 (センチュリーブックス 人と思想 21)
鹿野政直

清水書院 1967-12
売り上げランキング : 1107722

22 ニーチェ 4389420224
ニーチェ (Century Books―人と思想)
工藤綏夫

清水書院 2014-09
売り上げランキング : 88457

23 J. デューイ 4389420232
J・デューイ (Century Books―人と思想)
山田英世

清水書院 2016-01
売り上げランキング : 1673674

24 フロイト 4389410245
フロイト (センチュリーブックス 人と思想 24)
鈴村金彌

清水書院 2000
売り上げランキング : 165171

25 内村鑑三 4389420259
内村鑑三 (Century Books―人と思想)
関根正雄

清水書院 2014-09
売り上げランキング : 537652

26 ロマン・ロラン 4389410261
ロマン=ロラン (センチュリーブックス 人と思想 26)
村上嘉隆 村上益子

清水書院 2000
売り上げランキング : 768753

27 孫文 4389420275
孫文 (Century Books―人と思想)
横山英 中山義弘

清水書院 2014-09
売り上げランキング : 321471

28 ガンジー 4389410288
ガンジー (センチュリーブックス 人と思想 28)
坂本徳松

清水書院 2000
売り上げランキング : 702482

29 レーニン 4389410296
レーニン (センチュリーブックス 人と思想 29)
中野徹高岡健次郎

清水書院 2000
売り上げランキング : 940404

30 ラッセ 4389420305
ラッセル (Century Books―人と思想)
金子光男

清水書院 2014-09
売り上げランキング : 618309

《内容》

21 福沢諭吉 (wikipedia:福澤諭吉

戦後のいわゆる民主化とともに、福沢諭吉は、民主主義の先駆者として高く評価されるようになった。ただ教科書の推薦する人物・偉人伝中の人物は、とかく牙をぬかれた人間像として示される。けれどもそれは、今日のわれわれにとって、この近代日本最大の思想家をかならずしも正当に遇するみちではなかろう。福沢諭吉の思想と障害は、日本の近代化の本質をずばりと、しかも多面的にあらわしている。それだけにかれのうちには、近代日本の栄光と悲惨が鮮明に体現されている。わたくし自身はといえば、初めて福沢の文章に接したとき、100年まえの日本にこんな新しい人間がいたことにつよい印象をうけた。それ以来、福沢をすばらしいと思い、また時にはにくいとも思いつつ、しかも近代日本を考える場合、たえずかれにたちかえらなければならなかった。 (表カバー)
22 ニーチェ (wikipedia:フリードリヒ・ニーチェ

ニーチェほど、徹底して「反(アンティ)」)の立場を貫きとおした思想家も、めずらしいであろう。かれは、その著書の標題も暗示しているように、流行に背を向ける「反時代的考察」家であり、大地の上なる生のために彼岸を拒否する「反キリスト者」であり、「善悪の彼岸」に立脚して生きる反動徳主義者(インモラリスト)であり、「偶像のたそがれ」を告知して「一切価値の転換」を志すニヒリストであることを、無上の誇りとして生きた。神の死に代わって地上の生を主宰すべき「超人」の産出は、こうした破壊の犠牲によってのみ可能である、と信じたからである。神なき人生をむしばむニヒリズムからの快癒を念ずるがゆえに、ニヒルな想念のすみずみまで分け入ってその空しさを摘出しようとしたのが、ニーチェであった。私どもは、こうしたニーチェの真摯な思索態度から、現代人としての生きることの難しさを学びとるべきなのである。 (表カバー)
23 デューイ (wikipedia:ジョン・デューイ

ジョン・デューイアメリカ合衆国の東北、ニューイングランドの山あいにあるシャンブレイン湖のほとりにうまれ、この地方のきびしいけれども、しかし美しい自然をゆりかごとして育った。少年の頃に歩きまわった山や川や湖水の思い出、それに、新聞配達や材木の数しらべなどの小遣いかせぎをやらせたかれの家のきどらないくったくのなさは、生涯を通じてかれの思想に、自然への郷愁と庶民的なあたたかさを与えずにはおかなかった。かれの思想が淡々としていて、おごるところもなければはったりもなく、それでいて人の心にほのぼのとしたぬくもりを与えてくれるのは、かれの幼少時代をはぐくんだ素朴なニューイングランドの自然と社会が、かれの思想のふるさとであったからである。歌を忘れたカナリアである現代人に、デューイは、もっと謙虚になれと語りかけているかのようである。 (表カバー)
24 フロイト (wikipedia:ジークムント・フロイト

8歳でシェイクスピアを読み、17歳で高等学校(シュペール・ギムナジウム)を主席で卒業というように、ジグムント=フロイトは幼いころからその天分をきらめかせていた。しかし、学問上かれを有名にするような業績が真に実現されたのは、むしろ中年をすぎてからであった。これは、天才の生涯としては、めずらしいことである。しかも、かれのいわゆる「性的」な理論は、当時の社会から手きびしい反撃を受けた。そのうえ、かれがユダヤ人であったことは、その生涯をいっそう苦難に満ちたものにした。ナチスに故郷を追われ、異郷のの地ロンドンでその生涯を閉じたのも、そのためであった。このような苦難の生涯を通じてつねにかれをよく理解し暖かく包んでくれたのは、妻のマルタ・ベルナイスと娘のアンナであった。 (表カバー)
25 内村鑑三 (wikipedia:内村鑑三

内村鑑三は明治・大正・昭和の日本に大きな足跡を印し、消すことのできない影響を与えた。明治24年の有名な「不敬事件」で内村は身をもって天皇の神化に抵抗し、日露戦争に際しては、職を賭して非戦を唱えた。明治以降の日本人のなかで、かれほどに真剣な戦いの生涯を送った者はまれである。新渡戸稲造とともに、初期の札幌農学校の生んだ世界的人物である。札幌において「青年よ、大志をいだけ」の一句で有名なクラークの残したキリスト教の信仰に接し、のち渡米してアマスト大学のシーリー総長を通じ信仰の真髄をつかんだ。帰国後、教育者・社会評論家としての目ざましい活動ののち、独立独歩の伝道者として立ち、二千年のキリスト教史に新たな時期を画する無教会キリスト教を唱道した。かれの思想の意義は終戦後新たに各方面で注目されている。 (表カバー)
26 ロマン・ロラン (wikipedia:ロマン・ロラン

ロマン・ロランは1935年、ゴーリキーの招待に応じてソ連を訪問した。その都市の6月から7月までの約1か月間、ゴーリキーの家に滞在した。ソ連では各界の要人並びに民衆のあたたかい歓迎を受けた。ゴーリキーとは長い間の文通を通じて、ともに革命的ヒューマニズムの問題に関して、心を打ちあけうる最も信頼しあう友人となっていたが、お互いが会うのは、これが初めてであった。間もなく第二次世界大戦が始まろうとしている、ある夏の短く美しい友情のひとときであった。このように国外の作家とも交友のあったロマン=ロランは、あくまで理想主義的な人間像を追及し、第一次世界大戦では反戦運動に加わり、平和のために筆をもって戦いつづけ、ヨーロッパの良心といわれた。 (表カバー)
27 孫文 (wikipedia:孫文

「革命はまだ成功していない。同志諸君、奮闘努力せよ!」 これは癌に倒れた孫文が、今まで地と汗で切り開き、踏み固めてきた30年の革命運動の幕を閉じるに当たって、同志に遺した最後の愛国的悲願の叫びである。孫文は、祖国の独立と近代化、国民大衆の解放をめざして、その方策を、実践と思索をくり返しながら探究しつづけた。先駆者の道はきびしく、多くの失敗や誤りも避けられなかったが、かれの革命的精神は不死鳥のように再起して前進をつづけ、ついに、民族解放・民主革命の正しい思想をつくりあげて革命運動の先頭に立った。かれの生涯と思想とは、「革命の父」とよばれるのにふさわしく、今もなお、毛沢東思想の根底に流れて生きつづけている。 (表カバー)
28 ガンジー (wikipedia:マハトマ・ガンディー

ガンジーは「真理の神に対する忠誠は、他のすべての忠誠にまさる」といった。ガンジーにとっての真理とは、インドであり、インドの民衆であり、インドの貧しい農民であり、社会のどん底に虐げられたハリジャン(不可触民)であった。ガンジーは、自分ひとりの救いを求める求道者でもなければ、聖者でもない。かれは無言の民衆の心のなかに神、すなわち真理を見出し、この真理への献身が、インド独立の父にかれを立てたのである。ガンジー生誕百年が記念されたのも、この意味においてである。 (表カバー)
29 レーニン (wikipedia:ウラジーミル・レーニン

ロシア革命の指導者としての、またソ連邦の建国の父としてのレーニンの名を、知らないひとはいないであろう。かれは、マルクスの思想を実践に移し、世界の歴史上初めて、人間による人間の搾取と抑圧のない社会主義の理想を実現しようとうする政権を誕生させた、最大級の革命家だった。ロシア革命レーニンの名は、世界中のしいたげられたひとびとが人間としての誇りにめざめて立ちあがるという、20世紀の新たな世界史的趣向をつくり出す巨大な衝撃波として、世界に伝わっていった社会主義のあり方が根底から問い直されている現在、私たちに必要なことは、レーニンの人と思想の原点に立ち返り、自分の頭で正確にとらえ直そうとする努力である。 (表カバー)
30 ラッセル (wikipedia:バートランド・ラッセル

ラッセルは、歴史の動きを鋭くとらえる知性と、これから社会をつくっていこうとする子どもたちへの深い愛情をもって、限りない前進をつづけている。彼は、この狂気じみた世界情勢のなかにあっても、けっして絶望することはない。あらゆる人間性を信頼し、それに新しい希望を託しているからである。とくに彼の子どもと青年に対しての期待は、涸れることのない泉のごとく暖かい心情にみちあふれている。われわれは、あのビーコン・ヒル・スクールの教育と生活のなかに見られる優しい慈父のような笑顔のなかに、これまでいくつかの苦難と生涯を乗り越えて生き抜いてきた世紀の哲学者の偉大な満ち足りた姿をみる。子どもたちの若い魂は、無限の可能性をはらんでいるのである。そしてそれを発酵させる教育の仕事こそ、新しい社会を築くカギとなるものであろう。 (表カバー)