「Century books 人と思想」シリーズの本 既刊本リスト (清水書院) その14

大人の教養 / リベラルアーツ

「人と思想」 既刊本一覧 No.131〜140

131 モーパッサン 438942131X
モーパッサン (CenturyBooks―人と思想)
村松定史

清水書院 2015-08
売り上げランキング :

132 大乗仏教の思想 4389421328
大乗仏教の思想 (Century Books―人と思想)
副島正光

清水書院 2014-09
売り上げランキング : 1158864

133 解放の神学 4389411330
解放の神学 (Century Books―人と思想)
梶原寿

清水書院 1997-07
売り上げランキング : 211270

134 ミルトン 4389411349
ミルトン (CenturyBooks―人と思想)
新井明

清水書院 1997-08
売り上げランキング : 676583

135 ティリッヒ 4389421352
ティリッヒ (Century Books―人と思想)
大島末男

清水書院 2014-08
売り上げランキング : 101659

136 神谷美恵子 4389411365
神谷美恵子 (Century Books―人と思想)
江尻美穂子

清水書院 1995-09
売り上げランキング : 462506

137 レイチェル・カーソン 4389411373
レイチェル=カーソン (Century Books―人と思想)
太田哲男

清水書院 1997-08
売り上げランキング : 1228524

138 オルテガ 4389421387
オルテガ (Century Books―人と思想)
渡辺修

清水書院 2014-09
売り上げランキング : 1058608

139 アレクサンドル・デュマ 438941139X
アレクサンドル=デュマ (Century Books―人と思想)
辻昶 稲垣直樹

清水書院 1996-07
売り上げランキング : 989565

140 西行 4389411403
西行 (Century Books―人と思想)
渡部治

清水書院 1998-01
売り上げランキング : 1206695

131 モーパッサン (wikipedia:ギ・ド・モーパッサン

彗星のように、19世紀の世紀末を駆け抜けたギィ=ド=モーパッサン。43年という短い生涯に、残した作品はゆうに300編を越える。短編「首飾り」、中編「脂肪の塊」、長編「女の一生」、どれをとっても傑作というほかはない。フローベールの薫陶を受け、鋭く磨き上げられた写実主義の筆法には、世界中の作家が称賛の声をあげた。日本においても、永井荷風が心酔し、田山花袋が影響を受け、三遊亭円朝は短編を人情話に翻案している。明治期以来、おびただしい数の翻訳紹介がなされ、広く愛読されてきたモーパッサン。その生い立ちから死までをたどり、名作誕生の背景をさぐる。生きることの快楽を貪欲に飲みつくすモーパッサンとは、皮肉とユーモアとそして悲哀に満ちた、飽くなき人間の探求者ではなかったか。 (表カバー)
132 大乗仏教の思想 (wikipedia:大乗仏教

大乗仏教とは、インドの仏教史において、原始仏教・部派仏教に続いて展開した仏教である。初期の大乗仏教は、根本思想から離れていった部派仏教に対し、ゴータマ=シッダッタの思想に帰ることを目的としていた。一切の分別は分別知による便宜的なものであるとし、分別知を越えた無分別智に気づき、生死さえも超越したその思想は、日本人が一般的に理解している仏教とは印象を異にするかもしれない。本書では、初期大乗仏教の経典である般若経典類から、仏教の基本思想を明らかにし、ひとつの哲学体系の構築を試みる。古代インドで展開された哲学が、現代を生きる私たちに伝えるものは何であろうか。本書が「われわれはいかに生くべきか? 世界の真相は? 真相を表示する論理とは?」の問いを考える際のひとつの拠り所となることを願うものである。 (表カバー)
133 解放の神学 (wikipedia:解放の神学

1960年代末から登場した解放の神学は、それまでの西欧中心の伝統的思考様式とは根本的に異なる新しい思考様式を提示した。そしてそれは今や胃イエス・キリストの福音の原点に生き生きと迫るダイナミズムを、世界の至る所で発揮している。この新しい神学運動の担い手たちはアメリカの黒人、そしてラテン=アメリカ、アジア、アフリカ等の第三世界の被抑圧民衆、また第一世界内部の抑圧された女性、障害者、子供たちである。彼らは人間としての解放への叫びの文脈の中で、聖書を自分自身の目で「読み直し」、自らの頭と心で「考え直す」作業に携わっている。そこにあるものは生きることの感動の再発見である。本書はその解放の神学の先駆者の一人であるアメリカの黒人神学者ジェイムズ=コーンの歩みを、著者自身の自分史に関わらせながらたどることによって、その感動を追体験しようと試みている。 (表カバー)
134 ミルトン (wikipedia:ジョン・ミルトン

若きひとりの文人が革命の渦中に投げこまれ、自ら予想もしなかった人生行路を歩むことになる。が、その間に私的にも公的にも張らざるをえなかった論陣と、身に受けざるをえなかった失明その他の不幸の重なりが、かえってかれを大叙事詩人へと成長させてゆくための思想的かつ文学的な滋養となった。本書の著者は、ミルトン(1608-74)を文学史上の偉人として祭り上げることではなく、かれの時代のただなかを、ひとりの人間としてそれなりの労苦を背負いつつ、「真実の戦うキリスト信徒」として生きとおした姿に迫ろうとsる。かれの文芸は世俗のただなかから生まれ出たものであった。 (表カバー)
135 ティリッヒ (wikipedia:パウル・ティリッヒ

ティリッヒの超論理学(批判的現象学)は、『諸学の体系』では、存在と思考を統合する精神によって存在の深みを表現するが、『収去哲学』では精神はキリストの出来事と存在の深み(根源的意味)に分岐する。したがってティリッヒ神学は、キリスト教神学である限り、キリストの出来事を終極的基準とするが、イエスを抜きにして新存在と存在の深みにかかわる学問としても成立する。例えば、聖霊は、父なる神と子なる神から発出するのではなく、父なる神から直接出てきて、聖霊キリスト論を形成する。この存在の深み(同一性)とキリストの出来事(差異性)の同一性がティリッヒ神学の本質である。他方、実存の自己超越の試みが無の深淵に呑み込まれて無根拠になるとき生起する後期ハイデガーの存在の開示(現臨)が、引き裂かれた実存を癒し、実存の問いに答えるティリッヒの神に構造的に呼応することも否定できないであろう。 (表カバー)
136 神谷美恵子 (wikipedia:神谷美恵子

神谷美恵子は、津田英学塾2年の時、初めてらいを病む人に接して大きな衝撃を受けた。教養豊かな両親のもと、知情意すべての面で十分な教育を受けている自分が、この病者たちの犠牲において生かされていると感じ、この人たちに奉仕できる道に進みたいと考える。彼女は、9歳から12歳まで父の勤務地ジュネーヴで過ごし、個性を大切にする教育機関で学んで、その類いまれな才能と、自然・芸術および人の心に対する豊かな感受性が育てられた。辛抱強く機が熟するのを待って医学を修め、紆余曲折を経て40歳を過ぎてから、らい療養所愛生園の意志を務め、多くのらい者を看取った。本人自身もいくつかの重病を経験しながら、妻・母・医師・教師、さらに文筆家として、常に謙虚に、苦難の中にある人々と共に、真実を追求する一生を送った。本書では、この美恵子の生涯を描きつつ、基となった思想を探る。 (表カバー)
137 レイチェル=カーソン (wikipedia:レイチェル・カーソン

地球環境に大きな変化が現われている。1996年に北米やアジアを襲った破壊的な熱帯性の嵐[トロピカル・ストーム]は、地球環境のけ決定的な変化の前兆だろうか。大気中の二酸化炭素濃度の異常な高まりは、地球温暖化につながると懸念されている。森林の消失、酸性雨なども深刻な状態だ。20世紀は、経済の世紀」から「環境の世紀」に移ろうとしているとされる。その転換点となった1960年代に、先駆的に「環境の世紀の到来を語った人」――それがレイチェル=カーソンである。彼女の『沈黙の春』は、農薬の問題を中心に論じたものではあるが、今日の環境問題を実に原理的なところで把握した本、「現代」を考えるための必読の本だといえよう。 (表カバー)
138 オルテガ (wikipedia:ホセ・オルテガ・イ・ガセット

20世紀初頭のスペインを代表する哲学者であり、世紀末の混乱の中でヨーロッパ文明の将来を憂えた思想家ホセ=オルテガ=イ=ガセットは、当時の社会危機の根源が『大衆の反逆』にあると主張した。彼の言う大衆とは経済的・階級的な概念ではなく、知的・精神的に優れた人間に対する凡俗な平均人を意味し、彼らが過度の平等と民主主義を要求することによって社会秩序が失われ、やがては全体主義の危険をもたらす、と唱えた。。ジャーナリストの家系に生まれ、ドイツで新カント学派に学ぶが、のちに「私は私と私の環境」という命題のもと、独自の「生の理性」哲学を生みだして世界的な注目を浴びる。米西戦争に敗れ、没落期を迎えた母国スペインの復興、とくにその文化的沈滞状況からの脱出のために生涯を捧げた教育者・ジャーナリストであった。本書は、彼の実像を浮き彫りにしようとした力作である。 (表カバー)
139 アレクサンドル・デュマ (wikipedia:アレクサンドル・デュマ・ペール

ジャーナリズム、文学の隆盛を含めて、近代という今の社会のシステムが確立した19世紀。『三銃士』一作で2億円見当、『モンテ・クリスト伯爵』で2億数千万円等々……年収数億円を誇った稀代の流行作家アレクサンドル・デュマ。彼はまた、7億円の豪邸を建て、客席数1700の専用劇場を創設して破産した無類の浪費家でもあった。比類なきグルメで『料理大事典』の著者。射撃の名手で七月革命に軍功を立て、二月革命直後の国会議員選挙に立候補して落選した。30人以上の愛人を擁し、「子供は百人は下らない」と豪語した。近代が最も近代らしかった19世紀フランスの枠のなかで、近代人が最も近代人らしく発現したデュマという人物を捉えなおす。近代の延長である現代がより鮮明に見えてくると同時に、21世紀を貫く社会システム変革の予感にきっと私たちはおののかされるであろう。 (表カバー)